精子凍結保存について

保険適用:適用外

費用:¥30,000

採取して頂いた精液から、死精子や不純物(細胞・血球系)を除去、良質な精子のみを回収し、保存液で処理後、液体窒素中に保存します。治療では、これを融解して使用します。

【精子凍結の適応・必要性について】
・人工授精、体外受精・胚移植や顕微授精の治療において、仕事や体調不良などのため、治療実施の当日に精液採取ができない場合
・精液所見が不良で、治療実施当日に精子が見つからない可能性がある場合
・化学療法や放射線治療を予定していて、将来、精子形成が困難になることが予想される場合
・放射線関連施設に勤務し、被爆の恐れのある場合など
【凍結保存・融解に伴う危険性・合併症】
1.凍結・融解に伴う損傷
将来的に妊娠が期待できると判断した精子のみを凍結保存の対象としておりますが、凍結・融解の操作の過程で、一部の精子は破損することが予測され、精子融解後の生存率は約70%です。融解した時点で、変性等により治療に適さない状態と判断されることがあります。融解後しばらく培養し、最終的な状態を確認して使用可能であるかどうかを検討します。
2.不測の事態
精子培養期間中に、地震、台風、洪水などの自然災害や、そのほかの火災、戦争、暴動などの不可抗力な状況で、損傷、喪失した場合、当院はその責任を負いません。
実施責任者の死亡もしくは重大なる病気罹患などのため、正常な体制での診療をおこなうことが出来ない事態で、かつ患者さまと協議が十分に出来ない状態の場合には、他の実施医師が責任者に代わり、患者様と協議させていただきます。患者様の希望する施設があり、受け入れが許諾された場合には、配偶子の輸送の手続きをとります。
3.その他
凍結・融解した精子を用いて出生した児の染色体異常および先天異常発生率が、新鮮精子を用いた時よりも明らかに高いとの報告はありません。しかし、児の長期予後、とりわけ次世代以降への影響などについては、現時点ではわかっていない点があり、今後の報告を待つことになります。