体外受精について
保険適用:適用外
費用:¥150,000~390,000(税別)
卵管因子のように物理的に自然妊娠が困難な場合、精子要因で自然妊娠が困難な場合など、難渋する不妊症に対しては、体外受精を行います。体外受精の実際
体外受精では、自然排卵周期で採卵する場合もありますが、一般に前の月経周期からホルモン調節を行い排卵を抑制しつつ排卵誘発剤を使用します。したがって、体外受精を行うことを決めた後、いくらかの準備期間が必要となります。
1、排卵抑制は点鼻薬を用いる場合、使用期間は患者さんの状態によって決定します。(long法 short法 ultra-short法)
また、自然周期法や低刺激法にアンタゴニストを使用する方法もあります。
2、排卵誘発は、クロミッド内服もしくはhMG製剤の注射を使用しますが、使用量と期間、注射薬については患者さんの状態で異なります。
排卵誘発法
排卵誘発剤の注射を使用し、複数の受精卵を得ることを目標にします。
<特徴>
・若い時期に多くの良好胚を獲得できることを目指せます。
・グレードの良い受精卵を選択して移植できます。
・胚盤胞に到達する受精卵を得る可能性が高まります。
・余剰卵を凍結保存できる可能性が高まります。
・採卵手術の回数を減らし、身体と経済的な負担を減らします。
・卵巣過剰刺激症候群の副作用があります。
・採卵回数が増えると、獲得できる卵子の質が悪くなる懸念があります。
卵巣低刺激法
排卵誘発剤の飲み薬(クロミッド)を中心に少しの注射を使用します。卵巣への負担を減らし1〜2個の採卵を目指します。
<特徴>
・高齢、卵巣機能低下の方でも治療可能です。
・卵巣への負担が減り複数回の採卵が可能です。
・次回妊娠希望時に良い卵巣機能が温存され採卵に臨める傾向があります。
・排卵誘発の際に、受診回数が少なく通院の負担が減ります。
・卵巣過剰刺激症候群が起こりにくいです。
・採卵数が少なく、移植に適する受精卵が得られない場合(キャンセル)が増えます。
・余剰卵による凍結胚が得られず、妊娠しない場合は再度の採卵からやり直します。
・採卵回数が増えるため採卵手術への心身および経済的負担は増します。
3.卵胞発育が十分で採卵を決めた段階で、夕方〜夜間にhCG製剤を注射し、翌々日の朝に採卵します。同日、精子を持参もしくは院内で採精し、受精を試みます。治療の経過によって、あるいは精子の状態によって、顕微授精を行います。
4。培養は、通常5日間としますが、受精卵の状態や治療経過により胚盤胞まで培養を続ける場合があります。
5、アシステッドハッチングは、受精卵の状態や治療経過により行います。
6、胚移植は、原則5日目で行います。学会指針では移植は35歳未満の初回、2回目は1個まで、それ以外は2個までとされています。
胚の状態など個別に判断します。二段階胚移植を行う場合もあります。
7、受精卵凍結は、余剰胚が生じた場合に行います。
体外受精の成功不成功は、質(グレード)の良い受精卵を獲得できるか否かで決まります。
湘南レディースクリニックでは画一的な治療は行いません。患者さんの状態をしっかりと把握し、年齢、卵巣機能、治療経過などを考慮して特性に応じた最適な方法を選択しています。さらに経済的な観点も考慮して治療を工夫していくことができます。
リスク等気になることがあれば、クリニックにお気軽にお声がけください。